飼育種紹介&飼育方法解説その④ メタリフェルホソアカ
こんにちは!
今回は色虫入門種の1種であるメタリフェルホソアカクワガタの紹介と解説です。
最後まで宜しくお願いします。
外国産のクワガタ飼育を始めたいと相談すると帰ってくる答えが
・メタリフェル
・ネシア系小型ノコギリ(ゼブラ、ラテラリス、オキピタリス等)
・ニジイロ
・パプキン
・オオヒラタ各種
のどれかだと思います。実際は自分の好きな虫から始めればいいのですが・・・
メタリフェルは金属光沢のある大きな体をしています。体長の半分を占める大あごは日本のクワガタしか見たことのない方にとっては凄いインパクトだと思います。
色彩変化も多く、ブロンズを基本とし茶褐色、緑、青、紫、黒と中にはマジョーラと言うかグラデーションと言うべきかと言うミックス色の様な個体もいます。
最近ではブリーダーの頑張りで紫などの個体も多く見かける事も多くなりました。
亜種が多い種類ですが市場的にはペレン島産の「finae」と言う亜種が多く出回っています。俗に言う「ペレメタ」です。
我が家に居るのもこのペレメタであり今年の目標は体長90mmUPです。
ペレン産は大きくなる亜種で最大体長は100mmにも達します。
その他の亜種は
・サンギール諸島に生息する「sangirensis」
・今年少量の入荷のあった「aenomicans」
・スラウェシ島の「metallifer」
・スーラ諸島の「isogaii」
・モロタイ島の「otanii」
などが居ますがいずれも流通量はペレン島産より多くはありません。
で、ペレン島って何処よ?
と言う事で恒例の地理の時間でございます。
今回は少し地図大きめです。右側の方に前回、前々回と出てきたパプア州。
左下に有名なバリ島があります。
もう少し拡大します。
人口は10万人程で沿岸部に複数の町があります。
また沿岸部以外は標高が高いみたいです。
肝心のメタリフェルですが現地では標高の低いところで見られ、午前中に良く活動するそうです。
ツバキ系の植物の新芽を傷つけて出てくる樹液を舐めたり、広葉樹の樹液にも集まる様です。
以上が種としてのメタリフェルの紹介になります。
ここから成虫管理と産卵方法の解説になります。
まず成虫管理ですが、我が家では常温管理です。
真夏は風通しの良いケースに移し替えてケース内が蒸れない様にしています。
また、昨今のとんでもない暑さの中で特に35℃に達してしまいそうな日はエアコンを入れて対応しています。
そもそも35℃まで温度が上がってしまっては人間すら危ないです。自らの命を守るためにもエアコンを使ってください。
このブログでよく出てくる「ワインセラー」や「冷やし虫家」もペルチェ式の為外気温ー10℃程が性能の限界です。低温種を本格的に飼育するならエアコンで補助しつつ使わなければなりません・・・
雄雌同居でも事故はほとんど起きませんが雌同士を同居させると結構頻繁に喧嘩をします。中には雄より激しい喧嘩をする雌もいますので基本単独管理をしましょう。
雌は30mmにも満たない大きさなので400cc程のプリンカップで大丈夫です。
雄は方向転換の出来る容器で転倒防止材を入れて管理してください。
メタリフェルは転倒から起き上がれず力尽きてしまう事故が多いです。
以上が成虫管理方法になります。
以下産卵セットと幼虫の管理方法になります。
まず産卵セットですが、セットを暴く動画が有りますのでご覧ください。
材はもっと小さい物でもいいと思います。
基本的に前々回のインペラトールと内容はほとんど変わりません。
産卵一番を固く詰め、産卵木を入れ、産卵一番を詰め。。。
やたら産卵一番推すなと思われるかもしれませんが、ファンシーなパッケージから想像出来ないくらい高性能です。もっと早く知ってれば良かったと思ってる一品です。
気持ち水分多めでセットする事を意識して下さい。
割り出しですが、動画では1令がほとんどです。少し早い位です。
セットして2~3か月程経ってから2令位になってから割り出すと見つけやすく雌雄の判別もし易いです。
幼虫は基本マット飼育となります。菌糸ビンにも対応しますが3令になってから入れてください!
メタリフェルはホソアカクワガタの中でも添加剤に強い部類になります。
強いとは言え普通の種より大分弱いです。
大型狙いでしたら緩めに詰めて少し時間の経った1400ccのカワラの菌糸ビンを使うのもアリかもしれません。
3令になってしまえば菌糸ビンでも落ちる事は余りなくなります。
我が家では20件程の実験で落ちたのは1匹だけです。
カワラ菌糸は短時間で70mm程の個体を出したい時にも使えます。200ccや400ccのプリンカップでも70mm前後の個体が作出出来ました。
でも基本はやっぱりマットです。水分多めで大きめの容器を使い低温管理でじっくり育てるのが大型個体への道な気がします・・・
メタリフェルの飼育について回るのが「羽化ズレ」と言うワードです。
これは雌が早ければ3か月で成虫になってしまうのに対して雄が半年以上掛かってしまう。それにより雄が性成熟する前に雌がお星さまに・・・
と言う事なのですが。飼育品から始めるのであればこれは解消できます。長くなりましたのでこの続きはパート2と題して後日纏めることにします。
以下参考資料です。
↓幼虫飼育にどうぞ
↓400ccクラスのプリンカップは資材屋さんでなかなか売っていませんが実際小型中型種の幼虫、成虫管理などですごく重宝します。
以上。今回も長々と有難うございました。
また次回「メタリフェルの羽化ズレ回避」と題して近日纏めます。
次回もよろしくお願いいたします。